漁網

3週間前に鎌倉の材木座海岸で撮った写真のうちの一枚です。湘南の海は海本来の清々しさと観光地のキッチュさとが入り交じり合った不思議な場所です。三つ子の魂は抜きがたいもので、私には子どもの頃に出会った玄界灘の海が本当の海で、湘南の佇まいや黒っぽい砂の色を見るとどうしても偽物の海のような気がして仕方がないのですが、しかし、こうして写真に閉じこめてしまった風景は、車の騒音からも人々の嬌声からも無縁で本来あるべき正しい海の表情に戻ったような印象を受けます。

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