四人の三上さん

ここ数ヶ月ブログと電子メールで親交を深めてきた三上さんと初めてリアルの世界の中でお会いした。一緒にHASHI展と美崎薫さん宅を訪ね、東京を歩き回って、四回の食事をともにした。お互いがブログの上で知識を共有している事柄について、まるでブログの続きのように会話を重ね、あるいは文字にはなっていない互いの身辺の話などを交換しながら忘れがたい楽しい時を過ごした。


再会を期して羽田空港で別れた時には三上さんの姿は僕の手の中にあった。それから三晩が経ち、その姿はまたブログの向こうに消えゆこうとしている。声は残る。そして、三上さんの語りには実際にお会いする前から続く連続の感覚が存在している。ブログの文章から音声を伴った生の声に移り、またブログの上に戻っていったわけだが、媒体は違えどもメッセージは一貫していると強く感じられる。つまり、初めてお会いした三上さんは、『三上のブログ』でイメージしてきたそのままの方だった。


ところが、三上さんの視覚的イメージは愉快に僕を裏切った。そもそも、『三上のブログ』のプロフィール欄に飼い犬の風太郎君と一緒にちらとこちらを覗く顔かたち・雰囲気と『三上研究室のホームページ』にある髭のない顔写真がどう見ても一致しない。さらに、ここで紹介されたカリフォルニアの風景の中に立つ三上さんは、同じ髭面とはいえ、東京で出会った三上さんとはなんとも異なる面構えである。東京で出会った三上さんは三上さんだけが知り得る僕の情報をちゃんと携えていた。別れる直前に羽田空港で一緒に食べた晩ご飯のメニューはちゃんと『三上のブログ』に書かれているから、あの三上さんはやっぱり『三上のブログ』の三上さんなのだ。


初めてお会いしたmmpoloさん(id:mmpolo)は、かの自画像とそっくりで絵が生身の人間に化けたみたいだったし、fuzzyさん(id:fuzzy2)やrairakku6さん(id:rairakku6)はそもそも初めてお顔を拝見することになったので、齟齬に悩むこともない。美崎さんは見てくれだけはどっかで見た写真どおりだったし。


今度会ったときに三上さんが違う顔で出てきたらどうしよう。