オレ、オレ

オレなくして文章も音楽も出てこないし、産業も発展しないが、オレばかりだと疲れる。モーツァルトは際どくオレ発露の時代の境目にいて、すでに十分オレ。なんで音階をあがったりくだったりでオレになるのか、天才は量り難し。数年前に軽い鬱に陥った時、ロマン派の音楽以上にモーツァルトは自己主張の強さが感じられ、疲れた神経には聴きたくない音楽だった。モーツァルトを聴くと胎教にいいとか、頭がよくなるとか、眉唾な話が出てくるのも頷ける。そんな話嘘に違いないが、しっかりオレになれ、オレをつくれと言いたいのだろう。


RSS」と「アンテナ」を入れていただけたらと書いたら、mmpoloさんが早速それらのスイッチを入れてくれたので、今度の話はいつだろうとそわそわすることもなく、オレ、オレをオブラートに包んだ着流しの粋人に遭遇する楽しさを味わうことができる。


『山鳩の天気予報』は、のどかな山鳩の鳴き声と、最後にそっと差し出された「トラック島」の遙かな距離を思う。しびれた。


一昨日には、オーディオのことを書いた8月12日の拙文にコメントを頂戴したが、これがまたmmpoloさんらしい浮世離れした話である。

■一度、真空管アンプの音について


「乾電池数十本」というのは想像するだに思わず笑ってしまうすごい内容だ。でも、お書きになっていることは100%道理に適っていて、現にオーディオ評論家の江川三郎さんはCDプレイヤーは家庭用電源の悪影響で音が汚れることを避けられる乾電池使用のポータブルがいちばんと言っている。ということは知っていながらも、乾電池数十本で大まじめにオーディオを組むお知り合いがいるところが、mmpoloさんの途轍もないところである(この乾電池数十本オーディオの主は、実はmmpoloさんご本人じゃないかと一瞬疑ったが、邪推かな)。


おかしいと言えば、『年齢』の複眼的なおかしさは、引いて己を語れるmmpoloさんの本領発揮といったところか。僕も同じタイトルで8月に書いたが、読み比べると、芸の圧倒的な違いを見せつけられた感がする。


あまりストーカー的にコメントを繰り返してmmpoloさんにも他の皆さんにも嫌われるといけないので、これぐらいでやめておきます。