思案のしどころ

このブログを毎日のように書き始めたのは6月の半ば。今日は「はてな」が取ってくれているアクセスログを集計し、どのような方にどの程度『横浜逍遙亭』にお越し頂いているのか、簡単な分析を試みた。ログは毎日見ているが、こうして集計してみたのは初めてのこと。


それによると、ログを取り始めた7月中旬から昨日までのアクセス数は約7200、トータル・ユニークアクセスが約4300。単純にその時点からの一日あたりの平均を取るとだいたい日々150程度のアクセスがあり、90人ぐらいの方にお越し頂いている勘定になる。ただ、これは梅田さんのサイトからの流入というイベントによって大いに水増しされている数字なので、現状ではもっと落ち着いており、ここ2週間ぐらいをみるとユニークアクセス数で見て多い日が120、少ない日が50ぐらいといったところを行き来している感じだ。世の中の人気サイトから比べるとごくごく小さい数字だろうが、僕にとってはこれだけの方々に読んでいただいているのは本当に有り難い限りである。


ログからリピーターの方がどの程度いらっしゃるかを調べてみる。リピーターをどう定義するかは難しいところだ。何度か来ていただいた方でも、もう飽きてしまって二度と来ない方もいるかもしれないし、まだ2回しか来ていなくても、これからも恒常的に来ていただける方かもしれない。とりあえず、ここではこの10日以内に一度はクリックしている方で、過去4日以上にわたって来訪いただいている方を便宜的にそう呼ぶことにする。


こうした方はだいたい90数人といったところ。そのうち40人ぐらいの方がほぼ2日に1日以上の頻度で来ていただいている様子。いつもお読みいただいている皆様、ほんとうにありがとうございます。


どんな方が実際にいらしているのかは当然よく分からない。今のところはっきりと姿が僕に見えているお客様は、『三上のブログ』の三上先生と二、三人の知り合いぐらい。今回確認してみたところ、案の定、常連の皆さんの大多数が最初、梅田さんのサイトから来ていただいた方ということが分かった。梅田さんのサイトを介していない方は、オーディオをテーマに検索エンジンを使ってここを見つけた方が何人か。それに「カポーティ」「吉増剛造」など著者名や『冷血』などの作品名を検索して「文学」や「読書」の視点からお越しになっている方が、少し増えている。会社からアクセスする方のドメイン名を見ると、IT系の会社の名前がちらほらと見て取れる。公になっているアンテナやRSSリーダーなどからたどってみると、やはりエンジニアとおぼしき人が多い。これが現時点での『横浜逍遙亭』のお客様の現状である。


僕が今の時点で心配しているのは、現在のエントリーの方向が今お越し頂いている皆さんの指向とずれはじめていないかという点だ。圧倒的多数の方が梅田さんのサイトから来ているということは、「IT」系、「情報」系の情報収集を目的にブログを回っている方々が多いのではないかと想像するのだが、そうだとすると最近の僕のエントリーは主要顧客のニーズをかなり無視していることになる。ここのところ、吉増剛造など文学や読書系の話題がむしろ増えており、たぶん、お客様を意識しなければ、僕のエントリーはそっちの方向にどんどん流れていってしまう気配がある。気配があるなんて実に無責任な言い方だけれど、吉増剛造さんの映画について書いた『東中野の先の、島へ』、アインシュタインの番組についての思い出を素材にした『カフェ・ボルベックの消滅』。こうしたものを書いている時が自分としてはもっとも楽しい。しかし、大多数の現在の読者はこれら素人のエッセイ風文章を求めてはいないのではないだろうか。


文芸系や「身辺雑記」的なエントリーは控えて、「IT系の情報収集に価値を見いだしている方々」を念頭に置いた情報提供をことさら意識して行っていくか、それをしないか。はたまた、そもそも今のような疑似日記的、エッセイ風文体を維持していくか否か。今日、アクセスログを集計してみて、ここは思案のしどころだなあと思い始めている。