日記の半歩先

「三上のブログ」をお書きになっている三上勝生さんから、このブログへのエールをいただいた。プロフィールを拝見すると、三上さんは札幌大学でコミュニケーションや情報の問題を研究していらっしゃる大学の先生だ。

http://d.hatena.ne.jp/elmikamino/20060805/1154777010


自分の書いたものを褒めてもらう嬉しさを知らないわけではない。過去に雑誌などに書かせていただく機会があればちゃんと読んでコメントをくれる人はいたし、このブログに関しても、たとえば昨日ご紹介した杉本さんや複数のブログを切り盛りする高校からの友人川合君、勤め先のTさんなど何人かの知り合いからとても有り難い支持の言葉を頂戴している。友人から送られる善意は、どんなに小さくてもパンのみで生きられない人間にとって心の糧だ。


しかし、遠く北海道にお住まいの見ず知らずの方から、格調溢れる決然とした文体で100%善意の支持を表明していただき、あまっさえ拙文が意図していた先にまでメッセージの射程を延ばしていただくなどという幸運には、これまで一度たりとも巡り会ったことがない。そんな幸運が自分が拾って歩ける範囲にころがっているなどと想像したことすらない。三上先生の文章を眼にした瞬間、ブログ初心者の僕は、紙媒体では決してありえないその魔法に立ちくらみに似た感動と怖さの感覚を覚えた。一粒100Kmぐらいのエネルギーを注入された気分である。


だが、困った。梅田さんの講演の話題を記載して以来、この「横浜逍遙亭」には三上さんをはじめ何人もの方に繰り返しお越し頂いている様子なのだが、そうしていただいているのはあくまで梅田さんのイベントを紹介するという巡り合わせのおかげ。この先、他人様に喜んでいただけるエントリーなど、そうそう簡単にひねりだせるわけもない。気軽に日記を書く感覚の延長線上で、自分の勉強のために続けていきたいと始めた企てだけに、初めて大きなプレッシャーを感じる。誰も期待をしているわけではないのに、自我の存在とはまことに滑稽でうっとうしいものだ。


いずれにせよ、そんなわけで、このブログが少しだけ公の媒体に成長した実感を得る。