岡本太郎『明日への神話』を見に行く

メキシコの倉庫にほとんど野ざらし状態になっている岡本太郎の大作が見つかったという報道を見聞きしたと思ったら、いつの間にか汐留の日本テレビが展示をしていると知り、通勤の途中にちょっと回り道をして見に行くことにする。

街頭に展示していると聞いていたのでいつでも見られるのだろうとたかをくくっていたら大間違い。お目当ての作品は巨大なシャッターの向こうに隠されていた。一人ぽつんと立っていた制服姿のガードマン氏に訊いたら11時にならないとシャッターは開かないそうな。

テレビカメラに向かって眼を向いてポーズしていた岡本太郎の大作が日本テレビの広告宣伝に一役買っているのはとても自然な図柄に感じられる。絵は見られなかったが、作品の色遣いをもじった装飾が日本テレビ本社ビルの周囲を取り囲んでおり、それなりに雰囲気を味わった気分にはなった。半分以上負け惜しみだが、とりあえずそう考えておくことにする。太郎調のけばけばしい色遣いで装飾された自社のビルに気持ち悪さを感じている日本テレビの社員がたくさんいるだろうな。

岡本太郎の名前を聞くと、テレビ文化人という連想で僕は山本直純を同時に思い出す。高度経済成長の時代のポップな芸術。ポップだけれど芸術家という言葉に特別な雰囲気がまとっていた時代の芸術。ギョロ眼のおじさんのケバケバ大作には「大きいことはいいことだ〜」が似合っていると思いませんか。

夜はO君と野毛の飲み屋に繰り出す。