真空管プリアンプSV-14LBを組み立て始める

昨晩からぼちぼちと始めたハンダ付けが楽しくてやめられない。「何それ?」と覗き込む大学生の長男にちょっとやらせたら「面白れえ! 何時間でもやってられそう」と顔が輝く。大人のおもちゃである。結局丸一日机の前に座り続け、ハンダ付けとパーツへの配線を終了。寝る前には本体の大要を組み立て、あとは結線という段階までこぎ着けた。残りはまた来週。

素人にとって難しいのはマニュアルに書いてある用語が分からないことだ。いつも製作をしている人には歯を磨くぐらいあたりまえで造作のないはずのことが、こちとらには初めてで不安いっぱいの体験と来ている。「カラゲ端子」「ジャンパー線」「菊座金」「ベーク側」なんて言葉さえ知らないのだから、何をしなければならないのかを理解するまでに時間がかかる。マニュアルも消費財のような懇切丁寧さはないから、たぶんこれはこういうことを要求しているのだと推測し、掲載されている写真をよく見てさらに推測を深め、あるいはインターネットで検索をして疑問への答えを探す。この間合いがけっこう楽しい。分かってしまえばなんということはないが、間違えたら音が鳴らないと思うと真剣にならざるを得ない。生来のぶきっちょなんで、ちゃんと組み立てられているか不安。

作りながら、これを企画し、設計した方のすごさに圧倒される。こちとらは有名な作曲家の音符を一生懸命に音にしようとする楽器習いたての初心者プレイヤーみたいなものだ。どんな世界でもアーチストは偉大である。