鳥の視点で世の中を見る

リサーチャー兼コンサルタントの友人Sさんに招かれて、彼が都内某所に構えているオフィスに行ってきた。仕事とプライベートの境界領域を中心に、その両方のエリアで話題を共有し、啓発しあえる関係は貴重だ。昨日も生産的な無駄話に花が咲いた。

会話のなかで心に残ったことをひとつ紹介させて頂くと、情報技術の進展を基礎に世界中で起こっている今日のビジネスの革新はどこで生じているのか、その勘所はなにかを鳥の目で空から俯瞰すれば、それはつまり広い意味での流通の仕組みの変革なのだという彼の要約の仕方だった。

自分自身の約束ごととして、このブログでは仕事の話はしないことにしているので、昨日の会話にまつわる具体的な内容はこれ以上紹介しないが、あらためて彼の能力に感心しつつ思ったのは、物事を観察して帰納的に推論をし、分かりやすい言葉でそれを表現することの大切さだ。この場合でいうと、「流通」というくくり方をしてもらうことによって、まったく異なるあるビジネスと、別のあるビジネスとが比較考量の対象になり、関係のないことだと思い込んでいたある業務の仕組みや、ある種の原理・経験則を別の場所で試してみるといったことに意識が向くようになる。

そんな話をしていると、毎日の業務にかかずらわって、知らず知らずに狭いことばかり見ている自分に気がつくことにもなる。意識して鳥の視点を確保するように努力しなければと背筋が伸びるのである。

Sさんは近いうちに面白そうな一般向けウェブサイトを立ち上げるようなので、そのときにはぜひこのブログをお読み頂いている皆さんにも紹介させて頂こうと思う。