2009-07-01から1ヶ月間の記事一覧

野良猫の本の話

野良猫の本を読んだ。自分の勤め先でつくった本だが、企画されたのは僕がいまの職場に勤めるかなり前のことで、どんな内容の本なのかまるで知らなかった。薄い本だし、軽いエッセイだろうと思っていた。しかし、読んでみると、これがなかなか読み応えがある…

翻訳者の技

翻訳者は上手に事を運ぶ。ある言語と別の言語とをつなぐ際に、受け取る側の社会や文化のありように照らし、読者に受け入れられる言葉を探していく。 とくに話し言葉には、その傾向が強く表れるように思う。 昨日取り上げた『46年目の光』にこんな表現があっ…

R.カーソン著『46年目の光―視力を取り戻した男の奇跡の人生』

このノンフィクションの主人公、マイク・メイは、46歳のアメリカ人ビジネスマン。二人の息子の父親にして、シリコンバレーでGPSを活用した盲人向けの誘導システムを個人や公共組織に売り込む会社を経営している。若い頃から動き回るのが大好きで何にでもチャ…

今年の「シュンポシオン横浜」は11月、「なかやま&かんぱにー」でお迎えします

昨年の12月13日、「シュンポシオン横浜」と銘打ったブロガーの集まりを開催しました。ブログで知り合った同士が集まっておしゃべりしましょうという、実にシンプルな、なんだかよく分からない集まりでしたが、なんと50人もの方にエントリーしていただき、そ…

梅田さんの「残念」について

梅田望夫さんが、はてなブックマークには馬鹿なコメントが多すぎると発言したり、Webメディアのインタビューで、『ウェブ進化論』以降の日本での成り行きにがっかりしたという趣旨の発言をしたことに対し、多くの批判がブログ界に巻き起こった件については、…

選択肢はたくさん、結論はひとつ

久しぶりに美崎薫さんに会う。美崎さんとは、最近、『1Q84』の読後感をメールでやりとりし、盛り上がっていたのである。新宿で会って話を聞くと、最近はご自身でものすごい数のアプリケーションを作り続けながら、意識の問題を考えているという。そんなわ…

transparencyの問題

Web

AさんがブログとFacebookとtwitterをフルに稼働させてメッセージを発信しているとすると、僕のようにブログだけをやっている人間には、彼が世の中に問うているメッセージの全体像が見えない。そういうことがいま起こっている。Aさんが言わんとしていることの…

それをいっちゃあおしめえよ

昨日、編集者のKさんと企画の話をしていて、渡辺千賀さんの最近のブログ・エントリーを読んだかと訊かれた。僕は知らなかった。 http://www.chikawatanabe.com:80/blog/2009/04/future_of_japan.html 海外で働くことについては、はてなの近藤さんがシリコン…

夢試合

末の息子が最後の夏に出場した高校野球の県予選。試合は中盤に逆転を許し、終盤にだめ押しの追加点を奪われて、一瞬見えたかに思えた二回戦の夢は、けっきょく真夏の夢とついえたが、我々夫婦、長男ばかりでなく、家内の両親、それに赤ん坊の頃から子供たち…

アリ

昨日のこと、高校野球の練習試合をレフトの後方に位置する低い階段に座って眺めていたら、足や腕がむずむずする。大きなアリが、一匹、二匹と僕の上を歩いている。どうやら、そこはアリさんの通り道になっていたようで、僕はその真ん中で彼らの邪魔をしてい…

子供の野球

明日開幕する高校野球の神奈川県大会。末の息子が高校球児として参加する最後の夏が始まる。あけて月曜日にはすぐ試合が予定されており、四十数人の部員の中で、なんとか背番号9をもらった息子は、うまくいけば最初で最後になる夏の大会の打席に立てること…

イヤホン選び

ウォークマンで音楽を聴く目的で、1万円前後のイヤホンをあれこれと視聴してみると、自分の趣味に適うのは、ゼンハイザー、フィリップス、AKGといったあたり。ゼンハイザーは、ドイツ。フィリップスはオランダ。AKGはオーストリア。見事に欧州メーカーが揃う…

タングルウッド音楽祭

先ほど気がついたのだけれど、あと一月少々でアメリカ駐在を終えて横浜に戻ってからちょうど10年が経つ。僕にとっては「Only Yesterday」であるはずなのだが、しかし、そこに10年というレッテルが貼られると、とたんに時の容赦のない力が動き出すような気が…

イヤホンが欲しい

twitterを見ていると―今はもっぱら人の書いているのを眺めるfollowerでしかないので、見るとしかいいようがないのだが―いつの間にか、短い断片的な記述や感想を書くのが正義のような気がしてきて、ブログを前にしても、そんな文章を書いて見たくなる。脳がtw…

次第に収まるところに収まるような

ブログを覆っていた目新しさの空気がtwitter、その他の新しいサービスに流れていく中で、ブログの見え方が急速に変わってきた。つながることを支援し、それを実現する機能は、ブログよりもtwitterの方が何倍も優れている。サービス間の役割分担が進むと、ブ…

「意識って何だろう」と星を見上げながらふと考える人のための本

会社で出している本を手にとって読んでみると、「これはいい本だな」と思うものは、そこそこ売れている。自社の本の売れ行きが、今の僕にとっては大衆という言葉を形にしたものとして存在している。目に見えず、どのような形をしているのか分からず、実態と…

プロパガンダと真実

数日の間、『9・11生死を分けた102分 崩壊する超高層ビル内部からの驚くべき証言』という本を読んでいた。ワールド・トレード・センターの事件の記録本である。2005年9月に日本版が出ており、つまり4年も経っているので旧聞もいいところだが、「9.11」は野次…