受験生の親でございます

一番下の子供が、ちょうどいま受験生をやってまして。三人の子供が二度ずつ、数えてみると六度目の「受験生の親」の役回りとなりました。自分が受験生だった頃のことを思い返すと、あれは嫌なもんだったなと思います。だから、子供らがときどき自暴自棄気味に振る舞うことがあると、気持ちは分かるような気がします。

三番目について言うと、7月まで高校の2年半は、誇張でもなんでもなく、正真正銘高校野球をやりに学校に行ってましたから、勉強なんてどこかに忘れてしまっているし、そもそも大学に行く動機が見つからないんですね。これで景気がよければ、就職の道を探したかもしれませんが、偏差値真ん中程度の普通科に通う生徒が、なんとなく普通の勤め人になれるようなのんきなご時世ではなし、同級生もいちおう大学に行くとなると、さてどうするか。悩みは尽きまじという訳です。

本人、それでどうしたかというと、突如ピアノを弾き始めました。なんと音大に行きたいと言い始め、夏休みのあいだ中、ハノンだの、モーツァルトショパンだの、聴音だのを朝から晩まで。けっきょく、就職のことを考えると、なかなか楽な話ではないということをどうやら理解して、フツーの受験生を始めたのが、もう9月も半ばだったでしょうか。塾にもいかず、コミュニティセンターなる地元の施設にこもって、3ヶ月。この週末にセンター試験を受験してきましたが、さてどうなったことやら。どうなることやら。

こちらは「がんばれ〜」などと声はかけますが、子供は子供、私は私ですから、肝心な部分で気楽なもんです。受験生の親って、もっと気分的にたいへんじゃないかと思っていたんですが、子供ができたら、受験生の親をやるのかと思うと嫌だな、などと思っていたような気がするのですが、こちとら自分のことだけでも忙しいんだから、子供のことなんか考えている暇なんてないよというのが本音に近いのかな。でも、それはお互い悪いことではないような気がします。