古いスケッチ

先日、押し入れのものを片付けたときに懐かしいスケッチが出てきた。20歳のとき、初めての海外旅行で見たマッターホルン。たしか、帰国直後に、撮った写真を元にして描いたのだと思う。




あの頃は、絵を描いても、山を歩いても、音楽を聴いても、すべてが可能性につながっているように感じ、同時にすべてが息苦しさにもつながっていたように思う。

谷川俊太郎が書いていたように、人の人生は年輪を積み重ねるようなもので、その内側に5歳の自分も、20歳の自分もいると考えるとなんだかおかしい。なんだかおかしいが、「かつての自分」と突き放してみるよりも、「三つ子の魂百まで」で「何も変わっちゃいない」と考える方今の僕には真実味があるし、だいいちその方が日常に充実の気配が湧いてくるような気がする。