仕事のできない組織

勢川びき(id:segawabiki)さんの四コマ漫画は、組織の不条理を豪快に笑い、前向きに批判するのが大きなテーマだが、この数ヶ月、親の引っ越しの関係でいくつもの会社やお役所に向かい合う必要があり、仕事のできる組織、できない組織の差にあらためて「うーん」と唸らされた。

体験を要約すると、おおむね金融機関のサービスマインドはOKで、役所は駄目。電話会社はOKで、ガス・電気はそれよりも少し劣る。常識的な結果だが、同じ役所でも対応は違うし、それどころか部署でも雰囲気とやる気が違う。やはり、常識的な話だが、どういったかたちでも競争にさらされている場所では、なんとかしなければという組織の意識は働いているし、そうではないところでは完全に現場の個人の力まかせになってしまっている。そうなると、サービスの程度はかなり運に左右されることになる。

一番呆れたのはUR(独立行政法人都市再生機構)である。お役所仕事の感覚丸出しで、縦割り組織でにしか情報が流れておらず、他の部署につながると違うことを言う。おかげで、複数回役所に通って証明書をとるなんてことを余儀なくされる。また、現場が自分の頭で考えて、お客さんのためになることをするということがまるでない。そうしたことが善であり、求められているという理念がまったくないので、「あのー、親が高齢で、これこれなんで、こんなことして欲しいんですけど、お願いできませんか?」と頼んでも、「あー、うー」と右往左往して、「いやー、そういうことを頼まれたことがこれまでないのでー」と言い出す始末。本人たちには悪気はまったくないのである。勢川びきさんのマンガの登場人物としか思えない。

あと、自動車免許を持っておらず、目下パスポートが切れており、写真付きの公的身分証明がない、写真がついていない健康保険証で役所に行かなければならない僕の場合、身分確認ひとつで大騒ぎになる窓口、さっと対応する窓口といろいろあって、やはり呆れたり、面白がったり。一番、ひどかった窓口のおっさんは、親の名前と生年月日、家族4人の名前、生年月日を全部尋ねましたね。途中で「もう、いいでしょう?」と笑ったら、真顔で「本人確認の必要がありますから」。ったく、勢川びきさんのマンガの登場人物だよ。