昨日の続きを少し

昨日の続きを書こうかと思ったが、どうも気が乗らない。今朝の東京の空のように薄ぼんやりとしている。とはいえ、このままやめたというのも気が引けるので、薄ぼんやりした意識のままに記しておくと、スポーツでも、ビジネスでも、音楽でも、己を乗り越える克己の物語が素敵なのである。他人に勝った負けたはときの運、本人ならばともかく、周囲の者があまりにそのことに執着するのはどこか違うのではないか。

その逆の例。オリンピックの話に例を取ると、今回レスリングで銀メダルをとった伊調千春さん、銅メダルをとった浜口京子さんが試合後に満面の笑顔でインタビューに答え、手を振っていた絵が印象に残る。例えば。この二人、ギリシャのときには金メダルをとれなかったことで、敗者以外のなにものでもないという雰囲気を周囲に撒き散らしていたのに、4年間で「金以外には価値はない」という価値観から自由になったらしい。

陸上の男子5000メートル予選で靴を踏まれて脱げてしまい、片足が裸足のまま走り通した松宮孝行選手の、清々しいばかりのインタビューでの発言だとか。例えば。

「金しかいらない」という発言は、それを言った時点で物語を矮小化している。金メダリストだけをちやほやするマスメディアは、微分値で生きることの意義、克己の物語の価値を結果的には否定している。と、そんな風に感じる。

昨日夕刻、mmpoloさんが紹介されていた「篠原愛展」を銀座のギャラリーQで見る。


■銀座ギャラリーQの篠原愛展を見てほしい(『mmpoloの日記』2008年8月28日)


その後、八重洲ブックセンター丸山健二『日と月と刀』の下巻を購入し帰宅。夜は以前録画していた『ベルリン 天使の詩』の後半部分を寝ころびながら鑑賞する。