映画

『ゴジラ』の荒唐無稽さと現代性

東京の街にゴジラの模型が登場して、東宝の新作の前景気をあおっているようだが、はたしてオリジナルの『ゴジラ』以降、続編はものの見事に成功をみていない。 子供の頃に見た『モスラ対ゴジラ』だとか『南海の大決闘』だとか、その種の映画は小学生になりた…

『第三の男』と『ゴジラ』

この前のエントリーで“『第三の男』のリマスター版”という表現を書いたのだが、それを眺めながら、英語の記事では“restored 4k version”とあるが、これに、果たして生半可な知識で“リマスター版”という日本語をあててよいのか、やっぱりマスターを直したとは…

観覧車

ネットサーフィンをしていたら、『第三の男』のリマスター4K版がカンヌ映画祭で上映され、この夏にアメリカで商業上映が行われるというニュースにぶつかった。次の瞬間、思いは再度3月のウィーン旅行に向かうことになった。http://variety.com/2015/film/n…

宮粼駿の『風立ちぬ』をテレビで観た

先日初めてテレビ放送された宮粼駿の『風立ちぬ』を録画していたのをやっと観た。 ネットを見ていると悪評が完全に先行しているようだったし、堀辰雄の『風立ちぬ』を下敷きにしていると聞いて、甘ったるいだけのつまらないお話なのではないかと勝手に思い込…

宮崎のおっちゃんの言うことはきらいじゃない

宮崎駿さんのことですけど。他人の受け売りですが、おっちゃんは、養老孟司さんとの対談で、「情報とかインターネットっていうのは、基本的に相手を操作しようとする願望じゃないかと思うんです。相手に自分の影響力を与えたいということなのではないか。」…

『アバター』を観た

我が家の男の子二人が『アバター』のレンタルDVDを借りてきた。一緒にテレビの前に寝っ転がりながら3時間。娯楽映画の視聴後に抱きがちな「観なきゃよかった」と思う気持ちは寝っ転がった時点で封印したので、そうは言わない。その代わりに、つまらなかった…

テレビで初めて『ポニョ』を観た

昨日テレビ初放映された『崖の上のポニョ』を観ました。例の主題歌、「ポーニョ ポーニョ ポニョ さかなの子♪」は耳にたこが何重にもできるほど聴かされていましたが、作品自体は観ていないどころかあらすじの知識さえほとんどなく、玄人筋からブログに至る…

私たちの上に広がる空について

三上さんに『ベルリン 天使の詩』をめぐる拙文を引き取っていただき、豊かにふくらませていただいた。■(『三上のブログ』2008年8月26日) あの映画では、多くの場面で、空(そら)、あるいは天が象徴的に描かれていた。 三上さんがそうお書きになっているの…

冷戦下のベルリンを舞台にした二つの映画のタイトルについて

今月初旬に会った30年来の友人Nに『ベルリン 天使の詩』はとてもよい映画だと勧めたら、原題は何というのかと尋ねられて、「?」となってしまった。英語圏に住まっている彼には、原題ないし英語名がなければ連想がうまく働かないし、ものにたどりつくことも…

パラレル・ワールド

SF小説でまとまって数を読んだのは子供の頃読んだ小松左京と星新一ぐらい。アーサー・クラークもアイザック・アシモフも、読んだことがない。というぐらいのSF読者の僕だが、昔からパラレル・ワールドものにはとても惹かれる。例えば小松左京の『戦争はなか…

夏目雅子に

『yasuの「今日もブログー」』のyasuさんが最新のエントリーで映画「瀬戸内少年野球団」を取りあげている。その一節を読んだ瞬間にある記憶のスイッチが起動した。 何よりも観るものを虜にするのは、教壇に立つ駒子先生を演ずる夏目雅子の圧倒的な美しさ。 …

ケネス・ブラナーの映画『魔笛』を観る

ケネス・ブラナー監督のオペラ映画『魔笛』を観た。たまたまWebをうろうろとしていたら、この作品の視聴記にぶつかり、ちょっと行ってみるかとなった次第。年に2本程度しか映画を観ない人間なので、平均からすると今年最後の映画鑑賞になるはずだ。ちなみに…

映画『カポーティ』を観る

8月9日に「『トルーマン・カポーティ』を読むか、トルーマン・カポーティを読むか 」と題するエントリーを書いた際には、『カポーティ』という映画が封切られることすら知らなかった。それほど、僕は映画にはうとく思い入れのない人間である。映画は見れば楽…

東中野の先の、島へ

今日は休みを取って、『島ノ唄 Thousands of Islands』(伊藤憲監督)を観に「ポレポレ東中野」に出かける。『三上のブログ』で勧めていただいた作品だ。 http://d.hatena.ne.jp/elmikamino/20060808/1155021518 新宿から西は仕事を含めて自分の生活圏とは重…